欧米ではさまざまな病気の治療に花粉が用いられていますが、その中で花粉症への効果がだんだん注目されてきました。
別の病気を治療する目的で花粉を服用していたのに、いつのまにか花粉症の症状がずっと軽くなった人が多かったからです。
花粉には、アレルギー反応の引き金になる「炎症性サイトカイン」の生成を妨げる栄養素など、
アレルギーに効果のありそうな成分が豊富にふくまれています。
しかし、花粉サプリメントが花粉症を抑えるメカニズムはまだよくわかっていません。
現在有力視されているのは、良質の花粉エキスが花粉症に対する一種の減感作療法になるのではないかという説です。
減感作療法とはアレルギーの治療法の一種で、アレルギー源になる物質を希釈してとるものです。
たとえば、牛乳にアレルギーのある人には、数100倍、数1000倍、あるいはそれ以上にまで薄めた牛乳を注射します。
数100倍に薄めると、牛乳に含まれるアレルギーの原因物質の量も数100分の1になります。
症状を起こさないくらいまで希釈したところからスタートして、すこしずつ濃度を高めていき、牛乳への耐性をつけていく治療法です。
花粉エキスG63の場合、まったく薄めずにとっても、減感作療法と同じように花粉への抵抗力を高められるのではないかと
期待されていて、欧州や日本での臨床試験でもよい成績が出ています。
なぜ薄めなくても減感作になるのかというと、G63は栄養成分のプロフィールは花粉そのものなのに、
アレルギーを引き起こす物質がまったく含まれていない、特別なエキスだからです。
花粉は硬いカラにつつまれていて、そのカラの表面にオービクル(微粒子)と呼ばれる小さな粒が付着しています。
この粒がアレルギー反応の原因になることがあるのです。
G63では、カラの中の栄養成分だけを自然な方法でとりだしていますから、余計な付着物がカラごと除去されています。
花粉に含まれるタンパク質も、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。
G63では、タンパク質がアミノ酸に分解されたかたちで含まれているので、アレルギー反応はおこしません。
また、花粉のカラの中の成分を抽出する際に化学溶剤を一切使わないので、化学物質にアレルギーのある人でも安心です。
減感作療法は、受けられる病院も少ないし、定期的に通院してエキスを注射してもらう必要があるし、
効果が現れるまでに2〜3年かかることもあるしで、いろいろと大変です。
それに対して、花粉のサプリメントはただ摂取するだけですからお手軽ですし、
臨床試験では1〜3か月で効果が実感できる人も多いようです。
ただ、花粉に期待できるのは、薬品のような即効性ではなく、耐性を高める作用ですから、
花粉が本格的に飛び始める数か月前から摂取しておくのが望ましいでしょう。